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日本のゴム工業の始まりってどこやねん!何気ないご近所探索からはじまった、本当の歴史をゴム金型屋社長が解き明かす!真実はいつも一つ!!

2022.06.11

朝夕の愛犬散歩が私の日課。

散歩でうろうろしている最中に、町のあちこちで見かけるのが、いわゆる「石碑」。神戸という土地柄、よく見かけるのは震災復興碑だとか源平合戦の碑などなど。

そんな中でも、仕事柄、気になっていたあの石碑についてネット検索していると色々面白かったので調査してみましたよ。

【この記事を書いた人】

43歳、神戸の金型企業4代目、妻1人、娘1人、息子1人、白犬1匹。インドネシアに半年間単身赴任していた後は日本にカムバック。歴史好き。散歩しながら色々と想像をめぐらすのが最近のマイブーム。

〇本日の主役「わが国ゴム工業勃興の地」石碑

我が家の近所、いつもの散歩コースではないのですが、たまに通る公園にて、異様な存在感を放つこの石碑。わがATMの製作する金型も80%くらいは身の回りのゴム製品を製造するための金型なので、ちょっと誇らしいですよね。

さて、何をもって「わが国ゴム工業勃興の地」なのか?兵庫県のHPにはこんな風に記載されていました。

「神戸開港30年史」によると、明治18年、神戸に日本護謨製造所が設立され、ゴム球及びゴム枕の製造を行ったことが記されている。これがわが国における最初のゴム工場である。

その後、明治27年にラバー商会が設立されゴム引の水枕を製造した。さらに明治42年には英国資本によりダンロップ護謨(極東)株式会社が設立され、人力車タイヤや自転車タイヤの製造が始まり神戸を中心とした大規模なゴム工業勃興の契機となった。

自転車タイヤ製造工場の設立が続いた後、大正2年阪東調帯合資会社によりゴムベルトの生産が始まり、大正7年には朝日堂護謨製造所によりゴム履物が開発される等、神戸のゴム業界は大きく発展した。大正10年末には西神戸一帯に大小100軒余りの工場を数えるに至った。https://web.pref.hyogo.lg.jp/sr09/jibasan/16.html

素晴らしいですね

この流れが、大正14年のATM創業に繋がるわけですよ。

ATM初代 青木嘉兵衛です! 私のひいおじいちゃんですね(^^♪

〇ライバル登場!!

ただ、インターネット検索を進めていくと新たな事実が判明しました。

それがコレ。

東京 上野 三田土護謨製造所 
日本ゴム工業誕生の地(加藤進一撮影)https://840.gnpp.jp/gomukogyo/

「我国ゴム工業誕生の地」だって!!!東京上野にあるらしいです。

そして更には・・・


九州 久留米 ゴム産業発祥の地 久留米観光コンベンション(国際交流協会のサイトより)
https://welcome-kurume.com/knows/story/kurume_story18.html

九州は久留米にまで。ここは「ゴム産業発祥の地」!!!


住友ゴムHPhttps://www.sumitomo.gr.jp/act/visits/15/

更には同じ神戸にも!!「近代ゴム産業発祥の地」って…

〇整理すると

  • 「わが国ゴム工業勃興の地」(神戸市長田区)
  • 「我国ゴム工業誕生の地」(東京都台東区)
  • 「ゴム産業発祥の地」(福岡県久留米市)
  • 「近代ゴム産業発祥の地」(神戸市中央区)

蘭!4つもあるのかよ…

コナン君(笑)!!それでもめげずに検証していきましょう!!

  • 「わが国ゴム工業勃興の地」(神戸市長田区)

明治18年、神戸に日本護謨製造所が設立され、ゴム球及びゴム枕の製造を行ったことが記されている。これがわが国における最初のゴム工場である。その後、明治27年にラバー商会が設立されゴム引の水枕を製造した。さらに明治42年には英国資本によりダンロップ護謨(極東)株式会社が設立され、人力車タイヤや自転車タイヤの製造が始まり神戸を中心とした大規模なゴム工業勃興の契機となったhttps://web.pref.hyogo.lg.jp/sr09/jibasan/16.html

  • 「我国ゴム工業誕生の地」(東京都台東区)

 日本における近代的ゴム工業は, 明治19年(1886)に「土屋護謨製造所」によって加硫ゴムの生産に成功したことに始まる。(大正6年(1917)に「三田土ゴム工業」となり, この地に木造3階・地下1階の当時としては大規模な工場を建設し, テニスボール(軟式のゴムボール)・野球ボール(軟式)・消しゴムなどの新しいゴム製品次々に開発した。https://840.gnpp.jp/gomukogyo/

  • 「ゴム産業発祥の地」(福岡県久留米市)

昭和3年(1928)、地下足袋やゴム靴の大量生産はすでに緒についたが、将来のゴム工業として大きくのびるのは何といっても自動車タイヤであるから、私は自分の手でこれを国産化したいと決心した』ブリジストン創業者の石橋正二郎がタイヤの生産を決断https://welcome-kurume.com/knows/story/kurume_story18.html

  • 「近代ゴム産業発祥の地」(神戸市中央区)

明治42年に、英国資本により住友ゴムの前身であるダンロップ護謨(極東)株式会社が設立され、人力車タイヤや自転車タイヤの製造が始まった。https://www.jstage.jst.go.jp/article/gomu1944/69/1/69_1_45/_pdf

〇解決

判明しましたね。

  • 「わが国ゴム工業勃興の地」(神戸市長田区)⇒明治18年(1885年)
  • 「我国ゴム工業誕生の地」(東京都台東区)⇒明治19年(1886年)
  • 「ゴム産業発祥の地」(福岡県久留米市)⇒昭和3年(1928年)
  • 「近代ゴム産業発祥の地」(神戸市中央区)⇒明治42年(1909年)

やったー!

わがご近所さん 「わが国ゴム工業勃興の地」が僅差での勝利ですね。

けれども、調べていく中でこんな文章が

2017年11月17日に神戸で九州ゴム工業会、墨東ゴム工業会(東京)、兵庫ゴム工業会青年クラブの第一回懇話会があり、加藤事務所も墨東ゴム工業会会員としても参加しました。その席で、どこが日本で一番古いゴム産業発祥の地かという話になり、結果、九州、神戸、東京もそれぞれ一番古いということになり、これで揉めないで、なるほどということになったわけです。

ゴム報知新聞 連載コラム「ゴム業界の常識・非常識」⑧

それぞれ一番古い?

よくわからない日本語ですな☺

まぁとにかく。

我らがATMは「わが国ゴム工業勃興の地」のご近所にあるゴム金型屋さんということで。今後ともよろしくお願いいたします。

真実はいつも一つ!