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実は4本仕立ての短編集だった!?クリスマス関係ないジングル・ベルの本来の歌詞とは?
2021.12.21
【ブログを書いた人】
ハンドルネームは「現場女子1号」。20代半ば。海外のいろんなところで子供時代を送るという特殊な人生を歩んでいる人。普段は現場の仕上げ部門で工具を扱っている。サンタさんは小6まで信じてた。
12月と言えばクリスマスですね。
クリスマスに流れる歌。
今回は「ジングル・ベル」について深く掘っていこうと思います。
みなさんに質問です。
「ジングル・ベル」とは、どういう意味でしょう?
歌詞を見てみましょう。
「ジングル・ベル」 -日本語の歌詞とその意味とは?-
1番の歌詞
はしれそりよ かぜのように
ゆきのなかを かるく はやく
わらいごえを ゆきにまけば
あかるいひかりの はなになるよ
ジングル・ベル ジングル・ベル すずがなる
すずのリズムに ひかりのわがまう
ジングル・ベル ジングル・ベル すずがなる
もりにはやしに ひびきながら
https://utaten.com/lyric/xh15092220/
2番の歌詞
はしれそりよ おかのうえは
ゆきもしろく かぜもしろく
うたうこえは とんでゆくよ
かがやきはじめた ほしのそらへ
ジングル・ベル ジングル・ベル すずがなる
すずのリズムに ひかりのわがまう
ジングル・ベル ジングル・ベル すずがなる
もりにはやしに ひびきながら
https://utaten.com/lyric/xh15092220/
日本語の歌詞でも「ジングル・ベル」の意味は詳しく触れられていません。
ではどういう意味でしょうか?
英語の「jingle」という単語は、「(鈴やベルなどが)チリンチリンとなる音」という意味です。
「bell」は「鈴」。
つまり、「鈴がチリンチリンとなっている様子」が「ジングル・ベル」の本来の意味です。
余談にはなりますが、除夜の鐘の「鐘」も、「カウベル」も、「鈴」も、英語では「bell」という単語で表記します。
ここで疑問に思うのが、日本語の歌詞でいう「すず」って何の鈴か。
そもそも、日本の歌詞でいう「そり」とは、どんなそりのことでしょうか?
私が思うに、ここでのそりはプラスチック製の板に紐が取り付けられているタイプのそりかと。
では、鈴はどこに取り付けられているのでしょうか?
冬、雪、鈴と聞くと、正月に巫女が手に持っている鈴を想像します。
あれは「神楽鈴」というのですが、この歌詞とは何ら関係なさそうですね。
え、じゃあ何の鈴?
サンタさんが乗っているタイプのそりに付いているイメージですね。
ということは、歌詞の中でそりに乗って遊んでいるのはサンタさんでしょうか?
「Jingle Bells」 -元の歌詞とその意味とは?-
では、元々の歌詞から考えてみましょう。
英語のタイトルは「Jingle Bells」。
複数形ですね。
複数の鈴がなっている様子を表しています。
実は、この歌は短編ストーリーになっているのをご存じでしょうか?
歌詞は4番まであり、日本語版とは全く異なった歌になっています。
それでは日本語訳と一緒に見ていきましょう。
1番の歌詞
Dashing through the snow
In a one-horse open sleigh
O’er the fields we go
Laughing all the way
Bells on bob-tail ring,
Making spirits bright
What fun it is to ride and sing
A sleighing song tonight
https://en.wikipedia.org/wiki/Jingle_Bells
日本語訳
雪の中を走り抜ける
1頭立てのそり
広がる雪原が
笑い声に包まれている
馬の尻尾に付いた鈴を鳴らせば
いっそう明るくなるよ
そりの歌を歌いながら乗るのは
なんて楽しいんだろう!
[コーラス (※以降省略)]
Oh, jingle bells, jingle bells
Jingle all the way
Oh, what fun it is to ride
In a one-horse open sleigh, hey
Jingle bells, jingle bells
Jingle all the way
Oh, what fun it is to ride
In a one-horse open sleigh
https://en.wikipedia.org/wiki/Jingle_Bells
日本語訳
ジングル・ベル ジングル・ベル
鈴の音よ鳴り響け
1頭立てのそりに乗るのは
なんて楽しいんだろう!
ジングル・ベル ジングル・ベル
鈴の音よ鳴り響け
1頭立てのそりに乗るのは
なんて楽しいんだろう!
2番の歌詞
A day or two ago,
I thought I’d take a ride,
And soon Miss Fanny Bright
Was seated by my side;
The horse was lean and lank
Misfortune seemed his lot
He got into a drifted bank
And then we got upsot
https://en.wikipedia.org/wiki/Jingle_Bells
日本語訳
数日前、
そりに乗ろうとしたんだ
そしたらファニー・ブライトちゃんが
僕の隣に座ったのさ
馬が痩せ細っていて
運が悪いことに
雪溜まりに突っ込んで
僕らはひっくり返ってしまったんだ
[コーラス]
3番の歌詞
A day or two ago
The story I must tell
I went out on the snow
And on my back I fell
A gent was riding by
In a one-horse open sleigh
He laughed at me as I there lay
But quickly drove away
https://en.wikipedia.org/wiki/Jingle_Bells
日本語訳
また数日前
こんなことがあったのさ
雪の中を出掛けて
ひっくり返ってしまったのさ
紳士が僕の横を
1頭立ちのそりで通りかかったとき
横たわった僕を見ては笑いながら
すぐにどこかへ立ち去ってしまったのさ
[コーラス]
4番の歌詞
Now the ground is white
Go it while you’re young
Take the girls tonight
And sing this sleighing song
Just get a bobtailed bay
Two forty as his speed
Hitch him to an open sleigh
And crack! you’ll take the lead
https://en.wikipedia.org/wiki/Jingle_Bells
日本語訳
辺り一面銀世界
そりで遊ぶなら若いうち
今宵女の子たちを誘って
そりの歌を歌おう
切り尾の馬に
2ドル40セントを賭けて
馬をそりに繋いでは
ピシャリ!と手綱を引くのさ
[コーラス]
日本の歌とは明らかに違いますね。
まず、元の歌詞には馬が出てきます。
馬がそりを引くタイプで、形はサンタさんが乗るようなタイプ。
(画像は2頭になっていますがこんな感じ。)
どちらかというと主人公は子供というよりは大人で、大体10代後半から20代ぐらいの男性のようです。
女の子にちやほやされたいイケイケのお兄さんですね。
ちょっぴりどんくさいのがいいですね。
2番の歌詞にはっきりと名前が出てきたファニー・ブライトちゃん。
この子は一体何者なんでしょうか?
推測するに、主人公はこの女の子に恋をしていたのではないかと思います。
かわいいファニー・ブライトちゃんにかっこいいところを見せたくて、それなのに引いていたのが痩せ細った馬だったがためにかっこ悪いところを見せてしまう主人公。
彼はファニー・ブライトちゃんに告白できたんでしょうか?
気になりますね。
3番は出だしからずっこけていますね。
それを紳士、恐らく30代から40代くらいの年上の男性に見られて笑われる話。
近所の方でしょうか。
「お前かっこ悪いぞ、ハハハ」と言いながら去って行った様子がうかがえますね。
普段からチャラチャラしているのをこの紳士は知っていたのでしょうか。
4番の歌詞、懲りていませんね。
女の子たちにいいところを見せようと何人も連れまわしてチャラチャラしています。
そんなことしてたらまたひっくり返って笑われますよ。
でも主人公が楽しそうで何よりです。
「ジングル・ベル」はクリスマスの歌ではない
さて、ここまで見て何かおかしいと思いませんか?
クリスマスに流れる歌なのに、「クリスマス」や「サンタクロース」といった単語が一切出てこないんですよ。
不思議ですよね。
この歌は、1857年に牧師ジェームズ・ピアポイント(James Pierpont)がアメリカジョージア州サヴァナの教会で開かれた感謝祭のために作詞したものです。
原曲はもう少し暗い曲だったそうで、私たちが知っているのは後から作り替えられたものです。
主人公の哀愁漂う悲しい歌だったのでしょうか。
それはそれで聴いてみたくなりますね。
何の感謝祭なのかも気になるところです。
まとめ
今回は「ジングル・ベル」に絞って話しましたが、よく流れるほかのクリスマスソングも日本語と英語とで全然違う歌詞になっていることがあります。
それをひとつひとつ調べていくと新しい発見があり、また新しい楽しみ方が増えるのではないかと思います。
また来年、別の曲をご紹介できたらと思います。
Merry Christmas!
良いお年を。